酒気帯び面接。
それは、僕が海上自衛隊の面接を受ける前夜のことだった。
同じ派遣先の工場の女の子2人が、僕を含めた3人で宅飲みをしようと急に誘ってくれたのだ。
翌日が試験であるにもかかわらず、僕は宅飲みに参加してしまった。
女の子の部屋で飲むことになり、面子は、やはり女の子2人と、男は僕だけと言うことに変わりはなかった。
1人の女の子は、なかなかのピッチで飲み始め、早々につぶれてしまった。
もう片方の女の子と僕とで、まったり飲んだり食べたり話しをしたりと言う時間がほとんどだったが、やはり二人とも、仕事の疲れもあってか、気づいたら3人とも、その場で寝始めた。
突然アラームが鳴り出す。
2時間程度寝てしまっていたのだろうか?
僕は、あわてて自宅に戻ってシャワーを浴び、身支度を整えたら、再び宅飲みした女の子の部屋に戻った。
まだ、2人とも寝ていたが、昨夜寝るまで付き合ってくれた片方の女の子にトントン。と優しく合図をして
「ごめん。これから試験なんだ。行ってくるね。」
と、言った。すると彼女は起きて
「ごめんね。行ってらっしゃい。頑張ってね。」
と言ってくれたのが嬉しかった。
こうして睡眠不足の体にアルコールを残した状態で試験会場に向かうのであった。