トッカグンとの遭遇。

僕は陸も海も空も辞めたダメ元自衛官

体調が悪くなったら、衛生隊?

 自衛隊員は、体調が悪くなれば受診する手もある。
 その時は、衛生隊、つまり自衛隊版の病院とでも言うべき場所に通院することが可能だ。
 ちなみに、ちょっとした体調不良なら、申請すらできないことは言っておく。
 基本は訓練を続けながら、なんとか治して行く姿勢でなければならない風潮があった。
 ある時、体調が悪く、上官に衛生隊で受診したいと言ったら。
 「まじか?受診したら、さらに悪くなるぞ。」
 「どうしても受診したいなら、外部の民間の病院に行け。」
 と言われた。
 どれだけ自衛隊の衛生隊はヤバいのか、興味本位で受診したくなる話しの内容だった。

お風呂上がりにタオルを忘れたら。

 自衛隊のお風呂は、大浴場にシャワーに、ある所にはサウナなんかも設置されている。
 この夏場の時期なんて、大浴場ですっきりしたい気持ちの隊員でいっぱいだ。
 寮にもシャワーだけ設置されていたりするところもあるが、やっぱり人気は大浴場だ。
 先輩や同期から後輩まで、いろいろな人たちを誘って浴場に一緒に行ったものだ。
 ただある日、風呂から上がって、体を拭いていると、同期がタオルを忘れたと言い出した。
 私は自分のタオルを反面使うから、残り反面を使っていいよと提案したが、同期は遠慮していた。
 結局、風呂場から普通に出て来たが、どうやって拭いたのか尋ねると…「拭かずに、そのまま着た。」と言うことだった。
 あの暑い夜の同期の一刻も早く寮に帰りたいと言う表情を今でも鮮明に覚えている。

飲みたくなったら…どうする?

 自衛隊の基地で暑い日が続けば、自販機の中身が飛ぶ様に売れるものだ。
 陸上自衛隊時代、猛暑の中、戦闘訓練を頻繁に実施していた。
 訓練の休憩中や、訓練後には炭酸飲料が爆発的に売れていた。
 中でも当時人気が高かったのが、「マウンテウンデュー」だ。
 1本目はイッキ飲みで瞬殺。
 2本目からようやく普通に飲もうと言う気になる。
 そんな勢いで、みんな買って行くものだが、最後の最後まで一種類のみ売れなかったのが、「おしるこ」だ。
 君が限界まで汗をかき、なにか飲みたいと思った時に、自販機には「おしるこ」しか残っていなかったとする。
 君ならどうする??

「てっぱち」ってドラマ。

 自衛隊ドラマとは、どんなものかダイジェストで視聴してみた。
 「・・・。」
 本編を見なくて良かったと思った。
 ライバル、恋愛、青春ドラマと言ったありきたりなものにしか見えなかった。
 あのドラマを見て入隊しようと思ったなら、入隊は止めておいた方が良い。
 どう見ても、頭の中がお花畑満開状態だ。
 実際、入隊したなら、次元の違う生活にメンタルがついて行かないだろう。
 しかし、私の知ってる自衛隊は、一昔前の自衛隊だ。
 もしかしたら現在は、あのドラマの様にあまっちょろい組織になっているのかも知れない。
 だとしたら、私はショックを隠せないだろう。
 

エアコン・扇風機なしの生活。

 陸上自衛隊時代、エアコンはおろか、扇風機さえない居住区で過ごす期間があった。
 使えないのではない。そもそも部屋に備え付けられていなかったのだ。
 そんな中で制服や軍服をアイロンがけすると、どうなるか?
 5分と経たずに汗が吹き出してくる。
 基本的に夏場は、何もしていなくても軽く汗ばんでいるのが通常状態であった。
 なにがたまらないかと言えば、就寝時は必ず毛布をかぶって寝ることを強要されたことだ。
 理由は、上官からこう通達されていた。
「君たちが風邪をひくといけないからだ。」と。
 狂っていやがる。
 同期と良くそんなことを言っていた。
 エアコンなしで猛暑の中、毛布をかぶって寝るなんて、なんと寝苦しいことかと思うかもしれないが、昼間の厳しい訓練から生まれた疲労が絶大な睡魔を連れて来るため、即寝できる。
 今思うと、当時良く寝れたものだと感心できる。

ゴールデンウィーク前の儀式。

 ゴールデンウィークが今年は10日間くらいあるだろうな。
 ふと自衛隊時代を思い出す。
 あれは入隊したばかりの時だ。G W前までに戦闘訓練の回数が日増しに増えて行っていた。
 日に日に訓練が厳しくなっていくものの、当時新入隊員だった僕らは、GWを最大の楽しみにしていた。
 その待ちに待ったGW突入前夜、僕たち10人程度の班員は、洗濯室と言うタイル張りの広めの空間に呼び出された。
 そこで班長から円陣になり腕立て伏せを実施するよう命ぜられた。
 1人10回カウント、それを1周することとなった。
 100回の腕立て伏せと言うことになるが、自衛隊式の腕立て伏せは、50回以上は相当厳しい。
 100回‥100回のはずが、カウントの声が小さいだのなんだのと、2.30回まで行くと、1回からやり直しと言ったことを何度も何度もリピートする内に、もう総数なんて忘れるほどすることになった。
 終わってみれば30分くらい腕立て伏せをやっていた様だ。
 みんな汗だくだった。
 そんな班員達に対し、班長が最後に、こう言い放った。
 「お前ら、ゴールデンウィーク前で気が緩んでいるから、締めてやったからな。ありがたく思え。」
 そして、その汗だくの状態で就寝させられたことは、言うまでもない。
 
 
 

すぐに暖かくなる簡単な方法。

 寒くなると、ポケットに手を入れたくなる。
心なしか、猫背ぎみになりっている自分がいる。
 しかし、以前所属していた自衛隊と言う組織では、ポケットに手を入れることを禁止されていた。
 さらには服装に関しても、規定があった。
 戦闘服の下は、どんなに寒くてもTシャツ一枚だった。
 点呼の時位は、こっそり厚手のトレーナーでも着て寒さをしのごうかと思えば、そう言う時に限って、点呼で服装点検が行われ、戦闘服の下にトレーナーを着ていることがバレたものだった。
 上官から「お前ら、そんなに寒いなら暖かくしてやる。」と、その様な日は、点呼にて総員汗だくになるまで、ジャンプスクワットをやらされたものだった。
 ジャンプスクワットは効果的で、数十回で膝がガクガクになる。
 寒い時に、てっとり早く暖かくならたいなら、一度試してみると良いだろう。