辞める者は、ぼくだけではなかった。
やっとのことで退職手続きに動き出したかと思えば、1日の内の大半は同期とは別行動となった。
その間、なにをやらされるかと言えば、徹底した身辺整理、貸与品の手入れと言うものだった。
衣類の手入れ、名札の除去はもちろんのこと、靴だってかなりの時間をかけた手入れをさせられた。
同期と接触するのは、ほぼ訓練時間外だけとなった。
同じ寮で過ごしているのにも関わらず、少しずつ彼らとは既に住む世界が違ってきていることを確実に肌で感じていた。
そんな中、途中から違う班の班員で辞める者が1名いると聞かされた。
ほどなくして、ぼくは、そのもう1人の隊員と一緒に退職までの身辺整理の行動をすることになった。