「やめんなや」
辞めると決めても、正式な許可が降りるまで通常通り訓練を受けなければならなかった。
ちなみに教育期間中の平日の夜、僕たちの区隊は1時間程度、教室にかんづめされ自習させられていた。
そんなある夜、いつものようにみんなで自習をしていると、1枚の紙が僕にまわってきた。
紙の内容は、一言。
「やめんなや」
と書かれていた。
そして、その一言を囲むようにして当時の僕の同期の班員約10名の名前がサインされていた。
正直嬉しかった。
しかし、それでも気持ちが変わらない位にまで、辞めたい気持ちが固まってしまっていた。