トッカグンとの遭遇。

僕は陸も海も空も辞めたダメ元自衛官

梅雨の時期の匍匐前進(ほふくぜんしん)

 暑くてじめじめする梅雨の時期。
 毎年傘を差しながら思い出す。
 思い出すのは戦闘訓練場での戦闘訓練だ。
 雨の多い時期は、戦闘服が濡れるのはもちろんのこと、匍匐前進などしようものなら、泥がベルトに入り、口の中にも泥が入る。
 服装が乱れても、手には手袋、服の中にも泥が侵食してくる。
 だから、服装は乱れたら整えることが難しい。
 戦闘服はいくら汚れてもかまわない。
 口、服の中、パンツの中、軍靴の中、どこにどう泥が入ろうとも気にしなくなる。
 ただ一つ「銃口」以外は。
 訓練中、銃口が汚れ詰まることが最もタブーとされる事項になる。
 戦争中、ここぞと言う時に、銃が使えないでは話しにならないからだ。
 銃とは丈夫に思えて繊細だ。
 銃口に泥が詰まるだけで、暴発してしまう。
 引き金に泥が詰まるだけで、撃つこともできなくなる。
 だから、訓練中はいかに銃を汚さないか、それに注意が注がれる。
 しかし、考えとは裏腹に、無意識の内に銃口が汚れている場合がある。
 汚れた、泥が詰まった状態を上官に見つけられてしまったら、鉄拳制裁がいただける。
 いや…よく思い出すと軍靴での蹴りの方が多かったか。。