銃の部品を失うと。
戦闘訓練時には、訓練に集中するのは当たり前である。
訓練の最後には、必ず装備品の点検確認や、体調の異常がないかなどの報告義務がある。
装備品は、売店で購入できるものでも、訓練時に紛失してしまった場合、見つかるまで訓練に参加した全隊員によって捜索する。
当時、戦闘訓練場は、荒れ地や、草原めいた場所など、小さな部品を紛失してしまったら、見つけるのはほぼ不可能なのではないか?
と思える場所だったのである。
そこで、まずは全隊員が一直線に並び、よつんばいになり、目を皿のようにして探すのである。
もちろん、草原領域では草をかき分けてである。
探しものとは違うものが発見されたりと、ちょっとしたハプニングもあったりするが、ほぼ丸1日ずっと探していたこともある。
紛失した隊員の顔は、汗と涙にまみれていた。
捜索している間、なくした隊員の悪口を言う者がいなかったことに、同期として誇りを感じた瞬間でもあった。