トッカグンとの遭遇。

僕は陸も海も空も辞めたダメ元自衛官

ゴールデンウィーク前の儀式。

 ゴールデンウィークが今年は10日間くらいあるだろうな。
 ふと自衛隊時代を思い出す。
 あれは入隊したばかりの時だ。G W前までに戦闘訓練の回数が日増しに増えて行っていた。
 日に日に訓練が厳しくなっていくものの、当時新入隊員だった僕らは、GWを最大の楽しみにしていた。
 その待ちに待ったGW突入前夜、僕たち10人程度の班員は、洗濯室と言うタイル張りの広めの空間に呼び出された。
 そこで班長から円陣になり腕立て伏せを実施するよう命ぜられた。
 1人10回カウント、それを1周することとなった。
 100回の腕立て伏せと言うことになるが、自衛隊式の腕立て伏せは、50回以上は相当厳しい。
 100回‥100回のはずが、カウントの声が小さいだのなんだのと、2.30回まで行くと、1回からやり直しと言ったことを何度も何度もリピートする内に、もう総数なんて忘れるほどすることになった。
 終わってみれば30分くらい腕立て伏せをやっていた様だ。
 みんな汗だくだった。
 そんな班員達に対し、班長が最後に、こう言い放った。
 「お前ら、ゴールデンウィーク前で気が緩んでいるから、締めてやったからな。ありがたく思え。」
 そして、その汗だくの状態で就寝させられたことは、言うまでもない。