トッカグンとの遭遇。

僕は陸も海も空も辞めたダメ元自衛官

ゴールデンウィーク突入前夜

 あの日は、忘れられない。
 教育隊で初めてのゴールデンウィークをむかえる前夜。
 班員はみんな洗濯室へと呼ばれた。
 なにかと思えば、休暇を前に気が抜けているとのこと。
 そこで円陣を組まされ、一人10回カウントで腕立て伏せをしろとのことだった。
 当時の班員は10名くらいだった。
 つまり少なくとも100回は腕立てをすることになる訳だが、「声が小さい」だの「姿勢が悪い」など注意をされ、まるでカウントが進まない。
 いつしか腕立てどころか、腕立て伏せの姿勢すら取れなくなっていた。
 結局、30分くらいずっと腕立て伏せという地獄を体感したものである。