プールで泳げない者=「赤帽」
海上自衛隊の僕の同期の新入隊員は大半が泳げなかった。
50メートルプールを泳ぎきる前に沈んでしまったり、コースロープにつかまってギブアップした者が、半数以上いたのだ。
水泳教官は怒った!
「お前ら、なんでよりにもよって、こんなに泳げないのに海上自衛隊に入ってきたんだよ?!」
もっともらしい疑問に少し感心してしまった自分がいた。
ちなみに、泳げないと認定されたものは、通称「赤帽(あかぼう)」と呼ばれ、泳げる者とは切り離して訓練される。
泳げないものの方が多く、何もしらない人から見れば、それはそれは大規模なスイミングスクールに見えたに違いない。
しかし、赤帽もバカにはできない。
最終的には全員が泳げるようになるのだが、最も驚くべきは、学生時代の水泳部のエース級にまで急速に成長する者が、中にはいたのが驚愕だった。